発表テーマ「新たな一歩を、ケロタンとともに…!」
埼玉県代表 坂戸市消防団 和田素実
「日消幼稚園のよい子のおともだち、こんにちは!私は、坂戸市消防団の和田といいます。それから…、みんなと一緒にお勉強する・・・・。」
「ケロタンで〜す!よろしくね!」
「ケロタン、じゃあ、さっそくお友達と一緒に自分のからだは自分で守る、大切なお勉強をしようね。みんなもよくお話を聞いて、ケロタンと一緒にやってみてね。
まず最初に、子どもだけでは火を使わないってお約束してね。でも、もしもからだに火がついちゃったら…。どうするケロタン。」
「熱いよ、怖いよ!」(ケロタン走り回る)
「あらあら!待ってケロタン。走ったらどんどん火が燃え上がっちゃうんだよ。」
「じゃ、どうしたらいいの?」
「まずは止まって。」(ケロタン、止まる)
「それから地面に倒れて」(ケロタン、倒れる)
「転がるのよ。」(ケロタン、転がる)
「そう、上手にできたね!ほら火が消えたよ。…みんなもよ〜く聞いてね。もしも体に火が付いたら止まって、倒れて、転がるの。そうすると火が消えるんだよ。」
「ふ〜ん、そうなんだ。よ〜くわかった。止まって、倒れて、転がるんだね!」
「そうよ、幼稚園のお友達も覚えておいて、おうちの人にも教えてあげてね。」
このように現在は自分自身も楽しみながら幼児向けの防火教育を行うようになりました。
しかし、自分たちの特技を生かしながら楽しんで活動できるようになるまでには、訳も分からず夢中で走ってきた3年間があったのです。
坂戸市消防団女性部は平成19年4月に発足、私は14名の仲間とともに1期生として入団しました。
友人に誘われたのがきっかけで、消防団がどういうものなのかも、よくわからないままの入団でした。
そうして飛び込んだ未知の世界は、それまで馴染みのなかった規律や上下関係があり、また特別職の地方公務員という立場からも自分の意識を変える必要があり、ずいぶん戸惑いました。
その上、部長職まで仰せつかってしまい、何の経験も実績もない自分が部長だなんてどうしたらいいのか…、自問自答する日々でした。
とにかく与えられたことを一つ一つ誠実に、全力投球でこなしていく事、常に最善を尽くす事、それだけしか自分にできる事はありませんでした。
幸い理解のある家族、特に義母の全面的なバックアップを得ることができ、私の消防団活動を心強く支えてくれました。
また根気よく暖かく導いてくださった事務局さん、私の至らぬ面をフォローしてくれる班長さんたちにも恵まれ、他の部員のみなさんも協力的なお陰で着実に女性部の実績を積み上げてくることができました。
当初の目標であった応急手当指導員の資格も全員で取得し、さまざまな場面で資格を生かす活動もでき、自信につながっていきました。
そんな折に、米国における幼児向け防火教育の研修を受ける機会がありました。
゛危険には近寄らせない゛というどちらかといえば消極的な日本の教育とは対照的な゛危険な状況での対処方法゛を教える、踏み込んだ積極的な教育。
私にとってそれはまさしくカルチャーショックでした。そしてそれまで与えられたことのみをこなしてきた私が゛ぜひ自分たちでもやってみたい!と心から感じた事となったのです。
発足から4年目、やっと自分の意思で、自分の足で一歩踏み出すことができました。
これからも女性部15名で力を合わせ、地域住民の役に立つ新たなチャレンジをしていきたいと思います。
ケロタンと一緒に。
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